[事象]
Microsoft Windows Server 2012 ベースまたは Microsoft Windows Server 2012 R2 ベースのコンピューターで、パフォーマンス モニターのプロセス情報の監視を行っている環境などプロセスの情報を参照する処理を行っている環境にて、ごく稀に以下の STOP エラー メッセージが表示され予期せぬ再起動が発生します。
このように、ボリューム内のデータに変更が発生すると、その都度変更前のデータを Diff Area へ退避してゆくので、静止点を確保したタイミングへファイルを戻したい場合は、Diff Area に保存された以前のデータを使って復元を行うことができます。
ここで、次のシャドウ コピーを作成した場合の動作についても説明をしておきましょう。次のシャドウ コピーを作成すると、これ以降の差分データはこの Diff Area には退避されなくなり、Diff Area は 1 世代前のシャドウ コピーとして確定します (下図の④~⑤)。確定と同時に新たな Diff Area が作成され、以降にデータ更新が発生した場合は、この新 Diff Area にデータが退避されます(下図の⑥)。
既にご説明の通り、Diff Area はシャドウ コピーを作成するときに用意される、差分データ退避用の空の箱です。既定の初期サイズはボリュームのサイズと残りの空き領域のサイズに応じて OS 内部ロジックによって計算され、32 MB ~ 3 GB のサイズで確保されます。この領域に差分データが次々と格納されていきますが、差分データが初期サイズを上回ることが予想された場合、システムによって Diff Area は自動的に拡張され、継続して差分データが保存されてゆきます。
Diff Area の初期サイズは、レジストリ設定によって固定することも可能です。Windows Server 2012R2 までの OS での固定可能な最大サイズは 3 GB、最小サイズは 300 MB です。Windows Server 2016 では、最大サイズが拡張されており、50 GB まで指定が可能です。
注 1 : Windows Server 2012R2 では、以下の修正プログラムを適用することで Diff Area の固定可能な最大サイズを Windows Server 2016 と同じ 50 GB まで引き上げることができます。
文書番号: KB3145384
MinDiffAreaFileSize registry value limit is increased from 3 GB to 50 GB in Windows 8.1 or Windows Server 2012 R2
https://support.microsoft.com/en-us/kb/3145384
注 2 : Diff Area サイズの指定は、ボリュームごとの指定ではなく、すべてのボリュームに一律で適用されます。従って、例えば Windows Server 2016 でDiff Area のサイズを 50 GB に指定した場合、C ドライブなど容量が十分に確保できていないボリュームに関してはシャドウ コピーが作成できなくなります。ご注意ください。
・Diff Area の確保される場所について
Diff Area は既定では、シャドウ コピーを作成する対象のボリューム内に確保されます。シャドウ コピーを作成すると、ボリューム内に隠しフォルダとして、”System Volume Information” という名称のフォルダが自動的に作成されます。シャドウ コピーはその中にファイルとして確認することができます。
次のシャドウ コピーを作成すると、Diff Area はその時点までの差分データとして確定され、それ以上の差分データはここには保存されません。同時に新たなDiff Area が確保され、以降の差分データはこの新しい Diff Area に保存されるようになります。Diff Area がその時点までの差分データとして確定される際に、Diff Area 内に空き容量があれば、この空き容量は解放されます。
・シャドウ コピーとバックアップ
これまでのご説明の通り、シャドウ コピーとは、確保した Diff Area に差分データを退避しているだけであり、ボリュームの完全なコピーを保管しているわけではありません。この意味ではシャドウ コピーはバックアップではない、と言えます。Diff Area の拡張に失敗したり、新たな Diff Area を確保できない場合に、シャドウ コピーの作成に失敗したり、古いシャドウ コピーが削除されることがありますので、バックアップとしての用途をお考えの場合は、バックアップ ソフトウェアでバックアップを取得する方がより確実です。
“Registry Keys and Values for Backup and Restore”
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/desktop/Backup/registry-keys-for-backup-and-restore#mindiffareafilesize
Diff Area の初期サイズは、通常はボリュームのサイズと空き領域のサイズで OS によって計算され、サイズが決定しますが、レジストリ設定によって固定することが可能です。具体的なレジストリの場所については上記公開情報の ”MinDiffAreaFileSize” の項目をご確認ください。
“Diff Area について” の項目で触れましたが、Windows Server 2012 R2 では、修正プログラムを適用することで Diff Area の固定可能な最大サイズを Windows Server 2016 と同じ 50 GB まで引き上げることができます。この公開情報で修正プログラムのご説明をしています。
———- 公開情報より抜粋 ——————–
On the reference computer, only use the built-in administrator account.
Creating multiple accounts might result in copying the wrong user profile as the default profile.
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Windows 10 バージョン 1803 において Sysprep を実行される際に、ご参考になればうれしく思います。
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>diskpart.exe
出力例)Microsoft DiskPart バージョン 10.0.14393.0
Copyright (C) 1999-2013 Microsoft Corporation.
コンピューター:2016NODE1
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DISKPART> uniqueid disk id=xxxxxxxx
※ディスク署名がほかのディスクのディスク署名と同一にならないよう
任意の値8桁(MBRディスクの場合)を設定してください。
※GPTディスクの場合も同様の手順で設定の変更が可能です。
署名の書式はディスクの種類に従ってください。
※ディスク署名として利用可能な文字は0からfまでです。
0. BIOS/UEFI (Windows OS の起動前)
1. Windows Boot Manager (Bootmgr/Bootmgr.efi)
2. Windows operating system loader (Winload.exe/winload.efi)
3. Windows NT OS Kernel (ntoskrnl.exe)
NoBoot は “Windows OS が起動しなくなる問題” ではありますが、どのタイミングで問題が発生したかによって遭遇する状況が違います。問題を正確に把握するためには、どのような画面が表示されているかを確認しておく必要があります。
各起動段階で発生する NoBoot の例としては以下のようなパターンが挙げられます。(ここでは Windows 8 / Windows Server 2012 以降の Windows OS を対象にした画面を紹介しています)
[パターン 1]
画面表示:黒画面に白い文字
起動タイミング:
0. BIOS/UEFI (Windows OS の起動前)
1. Windows Boot Manager (Bootmgr/Bootmgr.efi)
ただし、これらの対処方法を実施しても必ず Windows OS が起動できるようになる保証はありません。また、企業様の社内にて運用されているサーバー機といった環境にてファイル破損により NoBoot が発生している場合、無事に復旧した後に破損の影響範囲を把握することは非常に困難です。そのような観点からもバックアップから復旧させることが NoBoot の復旧方法として最も理想的と言えます。
実際に NoBoot が発生してしまった場合、いつも使用している Windows OS は起動できないため Windows 回復環境から操作を行い各種の対処策を実施します。
対処策はコマンド プロンプトよりコマンドにて実行するため、事前に Windows 回復環境からコマンド プロンプトを起動しておく必要があります。万が一 Windows 回復環境が起動していない場合は、インストール メディアから起動します。お手元にインストール メディアが無い場合は、以下のサイトを参考にインストールメディアの準備をお願いいたします。
[概要]
Windows OS では 10 日おきにレジストリ情報 (レジストリ ハイブ) を以下のフォルダーにバックアップします。
このため、正常に OS が起動していたレジストリのバックアップデータにて現在のレジストリ情報を上書きいただくことで、OS が起動できる可能性があります。
%SystemRoot%\System32\config\RegBack
上記対処策を実施しても復旧しない場合は、Windows OS の起動に必要なドライバ ファイルの破損の可能性があります。切り分けとして [スタートアップ設定] 画面から以下の両方をお試しいただき、Windows OS が起動できるかをご確認下さい。
なお、Windows OS 標準の設定から設定変更されている環境では [スタートアップ設定] 画面を表示できない場合があります。
ドライバーとサービスの最小のセットで Windows をセーフ モードで起動して、問題をトラブルシューティングすることができます。
PC をセーフ モードで起動して問題が再現しなければ、既定の設定および基本的なデバイス ドライバーとサービスを、可能性のある原因から除外できます。
直近でインストールしたソフトウェアがある場合は、そのソフトウェアをアンインストールします。
[B] ドライバー署名の強制を無効にする
不適切な署名が含まれているドライバーのインストールを許可します。NoBoot 時の切り分けとして本設定の無効化により起動できる場合は、ドライバの署名情報が正しく取得できていない可能性が高く、その多くの場合はカタログ ファイルの破損によって引き起こされます。
Windows OS 起動時に各ドライバから参照されるカタログ ファイルは以下の場所に保存されています。そのため、同様の構成の環境がある場合は正常な PC から上記フォルダをコピーいただくことで復旧できる可能性もあります。
<Windows フォルダーが存在するドライブ>:\Windows\System32\CatRoot\{F750E6C3-38EE-11D1-85E5-00C04FC295EE}
また、PC のリフレッシュ機能をご利用いただくことでもユーザー データをある程度残したまま Windows OS を復旧させることも可能です。更新プログラムや各種ソフトウェアの再インストールは必要となる場合がありますが、Windows OS をクリーン インストールするよりは少ないコストで Windows OS の再インストールが実現可能です。
万が一に備え、重要なデータについては必ずバックアップをご採取ください。
各 PC 製造元様のアプリケーションの保持状況などは PC 製造元様までご確認下さい。
企業様によっては専用の Windows OS イメージをご利用いただいている場合もございますため、IT 管理者様にご確認下さい。
ストレージがネットワーク上に配置されることが多くなった今日、ローカルで必要としているデータは意外と少ない場合もあります。また現在の Windows Update は累積更新のパッケージがあるため更新プログラムの適用もスムーズではないかと思います。現在お使いの環境が復旧できるのが理想ではありますが、復旧が困難な場合は環境を再構築した方が結果的に少ないコストで状況を復旧できる場合もありますため場合によっては有効な対処方法にもなり得ます。
いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
Windows プラットフォーム サポートの岩井です。
今回はWorkgroup Clusterの構築手順をご案内させていただきます。
[はじめに] Workgroup Clusterとは
Windows Server 2012 R2以前のフェールオーバー クラスターは、すべてのクラスターノードが
同じActive Directory ドメインに参加するメンバーである必要がありました。
Windows Server 2016では、新たに Active Directoryドメインに参加しないワークグループ構成の
フェールオーバークラスターをサポートしております。
このActive Directoryドメインのメンバーとして構成していない、ワークグループ構成のノード間で
構成されたクラスターをWorkgroup Clusterと呼びます。 Image may be NSFW. Clik here to view.
今回は、このWorkgroup Clusterの構築方法および留意事項についてご説明します。
今回は、Windows Server 2016 環境にて共有フォルダーのサブフォルダーを削除、または移動すると、その上位フォルダーのアクセス権が一部削除されてしまう事象について、ご紹介させていただきます。
■ 発生する事象について
Windows Server 2016 環境にて共有フォルダーのサブフォルダーを削除、または移動すると、その上位フォルダーのアクセス権が一部削除されることがあります。
例えば、以下のように、共有フォルダーとなる C:\SHARE 配下の SUB フォルダーを削除しますと、上位フォルダーのアクセス権の一部が削除されることがあります。
前述の条件に合致するようなアクセス権が運用されております場合には、ご不便をおかけしますが、回避策による運用を検討ください。
また、本事象につきましては、弊社製品開発部門と連絡を取り、根本的な問題解決に向けた検討を進めております。
状況に進展がありましたら、本 BLOG の更新にてご報告させていただきます。
—
丸山 健一 (マルヤマ ケンイチ)
Windows プラットフォームサポート担当
日本マイクロソフト株式会社
想定された動作では、ファイルの更新や削除などボリュームに変更が生じた場合、変更前のデータをシャドウコピーの記憶域の中の Diff Area に退避し、実際のボリュームに変更部分を反映させています。シャドウ コピーの作成を行うと、この Diff Area に退避されていたデータがいわゆる “差分データ” として保存されます。
その後、再びボリュームに変更が生じた際には、新しい Diff Area が作成され、変更前のデータを退避し、シャドウ コピーの作成を行うと、差分データとして保存されます。
以下のコマンドを実行する
> chkdsk
実行例: > chkdsk f: Image may be NSFW. Clik here to view.
chkdsk の実行が終了後、当該ボリュームのプロパティを開きなおし、[以前のバージョン] タブをクリックし、共有フォルダーのシャドウ コピーの数を確認する Image may be NSFW. Clik here to view.
chkdsk コマンド実行前から、最も古い共有フォルダーのシャドウ コピーが 1 世代減った場合は、事象の発生が確認されました。
今回は、Windows 10 Version 1703 以降で発生する印刷時の現象について、ご紹介いたします。
端末の入れ替えなどでこれから Windows 10 を導入される方や、同じような現象でお悩みの方は、ご参照いただけますと幸いです。
[現象例]
C++ MFC で作成したプログラムで、Windows 10 のアップデート後に、固定ピッチフォントを使用しているのにも関わらず、特定のフォントサイズで半角文字と全角文字で印刷位置がずれる現象が発生する。
Windows 10 Version 1511 では現象が発生しなかったが、Version 1703 以降では現象が発生する。
[デザインの変更点と回避策]
Windows 10 Version 1703 以降では、固定ピッチフォントを保持するレジストリ情報の “Jpn98FixPitch” キーがサポートされておらず、使用できなくなりました。
しかしながら、多数のお客様よりご要望をいただき、下記以降の更新プログラムを適用いただくことで、再度 “Jpn98FixPitch” キーの設定が有効となります。
[原文抜粋]
Volume Shadow Copy service (VSS)
When using Volume Shadow Copy service (VSS) in StorSimple volumes, we recommend that the diff area for VSS be in a StorSimple locally pinned volume. You could also use an external disk with sufficient capacity for your diff area.
Windows Server 2016
Windows Server 2012 R2
Windows 10 (Version 1803 までの全てのバージョン)
Windows 8.1
② 2017 年 9 月 以降の更新プログラムを適用している。
本問題は、Windows 10 Version 1703 以降の OS バージョンでは更新プログラムを適用しない状態でも発生いたします。
対して、Windows 10 Version 1607 までの OS バージョンおよび、サーバー OS では 2017 年 9 月以降の更新プログラムを適用した場合に発生することが確認されています。
具体的には、以下の更新プログラムを適用した場合には、本問題が発生することが確認されています。また該当のモジュールが含まれる更新プログラム、例えば、より新しいロールアップ更新プログラムを適用した場合にも同様の問題が発生します。(セキュリティ更新プログラムを適用した場合には該当のモジュールが含まれず、発生しない場合があります。)
タスクの実行ユーザー アカウントとして “SYSTEM” 特殊アカウントを指定することで、お問い合わせの問題を回避することが可能です。
SYSTEM アカウント (Local System アカウント) は、Windows OS により内部的に使用される特殊なサービス アカウントです。セキュリティ識別子としては S-1-5-18 が割り当てられており、ローカル コンピューターにおいては管理者 (Administrators グループ) と同等、或いはそれ以上の権限を持ちます。
SYSTEM アカウントは以下手順にて、タスク スケジューラの実行ユーザーに指定することが可能です。その場合、タスク スケジューラからのタスクの実行に際して資格情報マネージャー等は使用せず、そのため、お問い合わせの問題を回避することが可能です。
なおログオン ユーザーのプロファイルを使用するなど一部の処理は SYSTEM アカウントを使用できない場合がありますのでご注意ください。