こんにちは Windows Platform サポートチームです。
Windows 10 の統合書き込みフィルター (UWF) 機能を有効にした環境で、フィルターの除外設定を行った
パスに対してファイルの書き込みを行うと、オーバーレイ用に確保されるメモリ (既定値 1GB) を消費して
しまう現象が報告されています。
例えば除外設定を行ったフォルダー上に 1GB のファイルの書き込みを行うと、オーバーレイ用のメモリ領域
(1GB) をすべて消費してしまい、その結果、OS の正常稼働のために行われる書き込み処理も行えなくなり、
OS が応答を停止するというものです。
Windows 10 の UWF では、Write 処理が発生した場合にオーバーレイのメモリ領域を使用する動作
となっているため、本動作は Windows 10 における制限事項 (想定された動作) になります。
本現象でお困りの場合には、以下にご紹介する対処策についてご検討ください。
(本操作手順は C ドライブを UWF の保護対象とする場合の回避策の一例です。)
[対処策]
以下の手順で UWF の対象外とするフォルダー (c:\test1) を UWF の保護対象となっていない別ドライブ上
のフォルダー (d:\test2) への シンボリックリンクとして作成します。
- 管理者権限のコマンドプロンプトより、以下のコマンドを実行し、UWF を無効にして
コンピューターを再起動します。
uwfmgr filter disable
shutdown /r /t 0
- UWF を有効にするドライブではない別ドライブ上に任意のフォルダを作成します
(例して d:\test2 とします)。 - 管理者権限のコマンドプロンプトより、以下のコマンドを実行します
(C ドライブ上に test1 というフォルダがある場合には事前に削除します)。
mklink /d c:\test1 d:\test2
- 続いて以下のコマンドを実行し、UWF を有効にしてコンピューターを再起動します。
uwfmgr filter enable
uwfmgr volume protect c:
shutdown /r /t 0
- 再起動後、c:\test1 フォルダに対してファイルのコピーを実行し、現象が回避できることを確認します。
※※※注意事項※※※
ご利用のコンピューターに複数のボリューム/パーティションが無く、C ドライブ以外にデータ領域として使用可能な
ボリュームが存在しない環境で UWF 機能をご利用の場合には、上記コマンドを実行することができません。
そのような場合には、以下のいずれかの対応をご検討ください。
方法 1 : USB メモリや、SD カードなどの外部メディアをリンク先のボリュームとして指定する。
C ドライブの空き容量が少ない場合や、後述の方法 2 の対応が困難である場合には、このような外部メディアを
使用した対応をご検討ください。
方法 2 : C ドライブを縮小して、新規のパーティションを 作成する。
- [スタート] ボタンを右クリックして、[ディスクの管理] をクリックします。
- ディスクの管理画面で、C ドライブを右クリックして、”ボリュームの縮小” を選択します。
- “縮小する領域のサイズ (MB)” の欄に、データコピー用に確保したいボリュームのサイズを入力します。
- 作成された新しいボリュームに対してリンクを作成します。