こんにちは。Windows プラットフォームサポートの加藤です。
本日は、クラスターの共有ボリューム (CSV) の物理ディスクを交換した際に、クラスター側で実施する作業についてご紹介します。
Windows Server 2008 以降のクラスターでは、ディスクリソースの物理ディスクを交換した際には、フェールオーバークラスターマネージャーを使用して [修復] を実施しクラスター側でも新しいディスクへ交換を実施する必要がございます。
詳細につきましては下記の技術情報をご覧ください。
- 参考
Windows Server 2008 フェールオーバークラスターにおけるディスク障害の対処方法
http://technet.microsoft.com/ja-jp/ee942177.aspx
しかしながら、クラスターの共有ボリューム (CSV) として使用されているディスクリソースは、そのままでは [修復] のメニューが表示されず、修復を実施することができません。
そのため、修復時には当該ディスクリソースをクラスターの共有ボリューム (CSV) から削除していただき、通常のディスクリソースに変更したあと [修復] を実施する必要がございます。
下記に手順をご案内します。
※ ディスク内のデータのバックアップと復元については、別途実施していただく必要がございます。
- 手順
Windows Server 2008 R2
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a) フェールオーバークラスターマネージャーを起動します。
b) 左ペインのツリーを展開し [クラスターの共有ボリューム] で当該ディスクリソースを右クリックし、[クラスターの共有ボリュームから削除] をクリックし実行します。
c) [確認] ウィンドウで [はい] をクリックして削除を実行します。
d) クラスターの共有ボリューム (CSV) から削除されたディスクリソースは、[記憶域] の [使用可能な記憶域] に移動します。
e) [使用可能な記憶域] に移動したディスクリソースを右クリックし、[その他のアクション] - [修復] をクリックします。
※修復を実行するには、当該リソースのステータスが [失敗] もしくは [オフライン] となっている必要があります。
f) クラスターに組み込まれていない、利用可能なディスク (交換した新しいディスク) 一覧が表示されるため、適切なディスクを選び [OK] をクリックします。
g) 正しく更新された事を示すポップアップが上がりますので、 [OK] をクリックします。
h) ディスクリソースをオンラインにします。
i) フェールオーバークラスターマネージャーの [クラスターの共有ボリューム] を右クリックし [記憶域の追加] をクリックします。
j) 先ほど修復したディスクリソースを選び [OK] をクリックします。
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Windows Server 2012、Windows Server 2012 R2
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a) フェールオーバークラスターマネージャーを起動します。
b) 左ペインのツリーを展開し [記憶域] – [ディスク] から当該ディスクリソースを右クリックし、[クラスターの共有ボリュームから削除] をクリックし実行します。
c) 確認のウィンドウで [はい] をクリックして削除を実行します。
d) クラスターの共有ボリューム (CSV) から削除されたディスクリソースの [適用先] が [使用可能記憶域] に変わります。
e) 当該ディスクリソースを右クリックし、[その他のアクション] - [修復] をクリックします。
※修復を実行するには、当該リソースのステータスが [失敗] もしくは [オフライン] となっている必要があります。
f) クラスターに組み込まれていない、利用可能なディスク (交換した新しいディスク) 一覧が表示されるため、適切なディスクを選び [OK] をクリックします。
g) 正しく更新された事を示すポップアップが上がりますので、 [OK] をクリックします。
h) ディスクリソースをオンラインにします。
i) 当該ディスクリソースを右クリックし、[クラスターの共有ボリュームへの追加] をクリックし実行します。
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なお CSV ボリュームのパス名 (Volume1、Volume2…) は、当該ディスクリソースのレジストリに保存されているため、当該ディスクリソースを CSV に再追加した際には、同じパス名で登録されます。復旧後、念のため同じパスに追加されていることをご確認ください。
※ディスクリソースを修復しても本レジストリ値は消えません。
※ディスクリソース自体を削除してしまうと、レジストリ値も消えますのでご注意ください。