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Workgroup Clusterの構築手順

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いつも弊社製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
Windows プラットフォーム サポートの岩井です。
今回はWorkgroup Clusterの構築手順をご案内させていただきます。

[はじめに] Workgroup Clusterとは

Windows Server 2012 R2以前のフェールオーバー クラスターは、すべてのクラスターノードが
同じActive Directory ドメインに参加するメンバーである必要がありました。
Windows Server 2016では、新たに Active Directoryドメインに参加しないワークグループ構成の
フェールオーバークラスターをサポートしております。
このActive Directoryドメインのメンバーとして構成していない、ワークグループ構成のノード間で
構成されたクラスターをWorkgroup Clusterと呼びます。

今回は、このWorkgroup Clusterの構築方法および留意事項についてご説明します。

[事前準備していただく必須要件]

✓すべてのサーバーがWindows Server2016であること
✓すべてのサーバーにフェールオーバークラスター機能がインストールされていること
✓クラスターを構成する全ノードにローカルユーザーアカウントを作成しておくこと
✓各ノードのアカウントのユーザー名とパスワードはすべて同一であること
✓各ノードのアカウントはローカル管理者のメンバーであること

[構築手順]

【ステップ1】 アカウントの作成
1-1.  Windows Server2016をインストールした複数台のサーバー(ノード)を用意します。

1-2.  各ノードにローカルユーザーアカウントを作成します。
   ユーザ名とパスワードはすべてのノードで同一のものとし、アカウントはローカル管理者のメンバーに設定してください。

1-3.  各ノードのコンピュータ名を設定します。サーバーのワークグループ構成は、既定のWorkgroupのままにしておきます。

1-4.  プライマリDNSサフィックスを、各ノードで同一になるように設定します。

【ステップ2】DNSの登録
2-1.  ノード間およびクライアントから名前解決ができるように、
   DNSサーバーにノードのA(アドレス)レコードを登録します。
   また、クラスター名とクラスターIPのAレコードも登録しておきます。

【ステップ3】クラスターの作成
3-1.  各ノードにフェールオーバークラスター機能をインストール後、
   フェールオーバークラスターマネージャーより構成の検証を行い、すべてのカテゴリで検証が成功することを確認します。
   ※[Active Directory構成の検証]項目では警告が出ますが、Workgroup Clusterの構成上、問題ありません。

3-2.  フェールオーバークラスターマネージャーより、クラスターの作成を行います。
   構成するノードを選択し、DNSに登録したクラスター名とクラスターIPを入力します。
   ※確認画面で、[クラスター登録]項目が『DNSのみ』となっていることを確認してください。

3-3.  クラスターを作成し、作成レポートを確認します。
   ※[クラスター登録]項目が『DNSのみ』になっています。

[留意事項]

Workgroup Clusterをご利用いただく際の留意事項について2点ご説明します。

【留意事項1】サポートしている機能
Workgroup Clusterには一部機能の制約がございます。
以下の表に、サポートの有無と備考を示します。

【留意事項2】Workgroup Cluster構築後のドメイン参加
Workgroup Cluster構築後に、ドメイン参加をしてクラスターを再構築したいというお問い合わせがあります。
しかし、Workgroup 構成はWorkgroup用のクラスターとなりますので、ADモードのクラスターの動作は保証されておりません。
したがって、AD環境のクラスター構築をされたい場合は、AD環境の下で最初から構築を行っていただく必要があります。

AD環境のクラスターか否かは、以下の方法で確認可能です。

PowerShell起動後、以下のコマンドを実施し、AdmnistrativeAccessPoint項目の出力を確認してください。
> get-cluster | fl *

▼AD環境のクラスターの場合

出力)AdmnistrativeAccessPoint : ActiveDirectoryAndDns

▼Workgroup Clusterの場合

出力)AdmnistrativeAccessPoint : Dns

出力が『ActiveDirectoryAndDns』の場合は、クラスターは AD 環境のクラスターであり、
出力が『Dns』の場合は、クラスターはWorkgroup Clusterであることが確認できます。

※参考情報
本クラスターはSQLで利用される場合が多くございます。
その際の注意事項など、詳細については以下のリンクをご参照ください。
“ドメインに依存しない可用性グループ”
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/database-engine/availability-groups/windows/domain-independent-availability-groups?view=sql-server-2017

いかがでしたでしょうか。
本ブログが少しでも皆様のお役に立てますと幸いです。


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